Sunday, June 25, 2006

The Most Colorful Man In Town

24日付のヒューストン・クロニクル紙にホワイトソックスのオジー・ギーエン監督に関する辛辣な記事が載りました。*リンクはchron.com。スポーツ欄の“Guilen remains as ignorant as ever”です。

自分の言葉遣いを反省もせず言いたい放題。自分の立場を考えれば、監督の発言はジョークでは済まされない・・・という内容でした。シカゴ地元記者の中には不快感を示す人もいました。私もそうです。ほんの1部分だけを取り上げた、意地悪な記事に見えたからです。ただ、眉をひそめつつも、的を得たこの記事に真っ向から批判できません。

ギーエンは先日、会見中に特定のコラムニストを名指して性的差別発言を使い批判したとして、大リーグ機構から罰金といわゆる“言動指導クラス”の受講を科されたばかり。カウンセリングを受ける監督なんて前代未聞なだけに、批判するにはもってこいのタイミングです。

同記事はメキシコ系アメリカ人のガルシアパーラとドミニカとアメリカの二重国籍を持つAロッドを「ラティーノ(ラテン系)ではない」と、人種差別にもとれる発言をした一件も取り上げています。これは昨年のワールドシリーズで行われた優秀なラテン系選手を表彰するイベントでの発言ですが、ギーエンはそれ以外にも、こんなことも、言っていたんですけどね。

「ルイス・アパリシオ(元ホワイトソックス殿堂入り選手)のように優れたラテン系諸国出身の選手の代わりに、ラテン系とも言えない選手が選ばれている」。

最後に「あいつらはラティーノでもない」と“オチ”をつけたことで、前後の会話が全て帳消しになりました。そして、この部分こそがギーエンの人柄で、問題な訳です。

この記者の質問にもギーエンは同じ話をしましたが、記事には使われませんでした。「あの説明を原稿に含む必要はなかったのだろうか」と聞いてみましたが「いかなる“言い訳”も関係なく、行き過ぎた言動自体についての原稿だから触れなかった」とのことでした。

普段から言葉の端々に「ピー!」と入れないと会話が進まない監督。ショッキングですが、代わりに嘘もつけず人柄に好感を持つ人も多いです。真意が伝わらず、発言の一部だけを取り上げられて批判を受けても、本人は”Because they don’t know me. (=オレの事を知らないからだ)”と意に介する様子はありません。

地元番記者達は自分たちのこれまでの“オフレコ基準”を変えず、真意をきちんと解釈した原稿を書くべく努めています。が、ディフェンディング・チャンピオンとしてプレーオフ進出を目指すホワイトソックスは好調なこともあり、注目度は(アメリカでは、ね)高まるばかりです。

Because they don’t know me.この言葉が「甘え」と解釈される可能性も高く、ちょっと心配です。

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