Friday, August 31, 2007

タパスの定番/トルティーヤ・デ・パタタ&プルポ・ガエージャ

小さいお皿で沢山のメニューをつまみにサングリアで乾杯。それがスペインの居酒屋、タパスのイメージです。

トルティーヤ・デ・パタタの「パタタ」はスペイン語でポテトの事。写真では少し分かりにくいですが、ジャガイモが入った厚焼きのオムレツ、それがトルティーヤ・デ・パタタです。紹介するのは生粋のマドリッド人、ヘマちゃんのママから教わったミニレシピです。



(パタタ)材料:
卵:3つ(フライパン小)
ジャガイモ:1個半/角切り
*ヘマちゃんのママはオリーブオイルで揚げますが、私は茹でて下ごしらえします。揚げた方が形がくずれないかも。
タマネギ:半個
*みじん切りして炒めておきます。
オリーブオイル:適量
塩こしょう
フライパンより大きなお皿

作り方:
1)溶き卵に下ごしらえ済みのタマネギとジャガイモを混ぜて塩こしょうで味付けします。
2)多めにオリーブオイルを敷き、卵を一気に流し入れます。フライパンヒタヒタ程度になる量がちょうどいい。
3)底がある程度焼けたらフライパンにお皿をかぶせてひっくり返し、中身を一旦お皿へ移します。
4)お皿からフライパンへ、今度は焼けてない方が下になるようにスライドしながら戻します。
5)3、4を数度繰り返して中まで火を通します。

主役のはずのパタタが結構くせ者です。ゴロゴロとしているので、ひっくり返す際に邪魔と言えばじゃま。でも、5)の目的は厚焼き卵のように層を作るためではなく、中まで火を通すため。だから、最初から奇麗にひっくり返す必要もないし、フライパンにくっついて「ぐしゃぁ」と炒り卵になりかけても、卵が柔らかいうちは充分挽回が効きます。

卵を数回に分け入れるのもありですが、私は卵3個分を一度に流します。底が焼けて行く際に「フライパンを揺すりながら(byヘマちゃんのママ)」フォークでグシャグシャとかき混ぜています。応用は、中身の具。ほうれん草やベーコンを入れても美味しいです。ただ、具が沢山入れば入るほど、ひっくり返すのが難しくなるので要注意。

そしてプルポ・ガエージャ。「プルポ」とはスペイン語でタコのこと。ガルシア風タコという意味の料理で、写真がないのですが、レシピは一言で済む程簡単です。

プルポ:
「ゆでたジャガイモスライスの上にゆでたタコのスライスを並べ、パプリカとオリーブオイルをたらして出来上がり」

スーパーのお刺身パックを買ってタコが余るとよく作ります。

マドリッド、マラガ、スペイン領ジブラルタル・・・どのタパスでも飲み物はサングリア、必ず頼むのは、パタタ、フルポの他にハモン・セラーノ(生ハム)とクロケット(クリームコロッケ)でした。マドリッドのタパスではヘマ(スペイン人)とヘマちゃんの現旦那様(フランス人)から「サッカーはどっちの国のファンだ?」と真剣に詰め寄られたし、ジブラルタルのタパスでは簡単な釣り糸にチーズを刺して釣りをした話で盛り上がりました。マラガではその翌日から始まるはずの大学院生活に思いを馳せていました。いずれもシカゴに来る前のこと。そう考えると、随分と時間が過ぎちゃいました。

どこにいても、この料理を作ればその頃の思い出が蘇ります。

Friday, August 10, 2007

タクシー

3日に1度は飛行機に乗る生活をおくって3年。最近頻繁に聞かれる機長のアナウンスがあります。

「我々は現在タクシーイングをしております・・・」

このアナウンスは大抵、離陸が遅れる時/着陸してからゲートまで辿り着けない時に聞かれ「・・・ですから@@分待ち時間が発生します」と続くので、私にとっては「=機内でうんざりしろ」の号令です。悪天候や諸々の諸事情のため飛行機が滑走路で離陸の順番待ちをしていて飛べないという状況が多発。先日は「我々の飛行機の前に100機が順番待ちをしています。暫くタクシーイングです」というアナウンスを聞き、気が遠くなったこともありました。仕方がないので機内カタログをめくっては「・・・このお相撲さんの置物、誰が買うんだろう・・・。いつまで販売するんだろう・・・」と、どうでもいい事を考えています。アナウンスを聞くたびにせっかく「タクシー」という単語に「ーing」が付くんだなぁ、面白いなぁと思っているのに、到着した時には疲れきってそんな事はすっかり忘れる始末。

本日やっと辞書をひく気になれました。

イヤイヤひいてよかった。

驚きました。

*「もう既に知ってるよん」という方、ごめんなさい。私は知りませんでした:

「タクシー」には「飛行機が地上走行する」という意味があるんですね!!!

てーーーっきり、「タクシー乗り場に数台のタクシーが待ち合わせているように飛行機が順番に並んでいる」から「タクシー」を使っているのかと思いきや。そうですか、航空用語として(そうなのか?)きちんとした意味が存在していたのですね。あちゃぁ。知らなかった。簡単な単語になればなるほど、自分で勝手に想像して辞書をひかなくなるのは悪いクセです。感覚で理解しちゃダメだなぁーと反省しました。

自分にとっては「stuff」という単語もそうでした。元々の意味自体が「=もの、こと」で、とても曖昧です。だからstuff like thatと言うと「=なんかそんなもん」。コレはコレで正解だし自分でもたまに使います。でも4年前、野球の会見で「He has a good stuff」という表現を何度か耳にし、調べるとstuffに「球種」という意味がある事を知りました。「=アイツはいいもの持ってる」じゃぁ、なかったんですね。あちゃぁ。

何でも大雑把に捉えず、なにげに聞き流さず、放ったらかしにせず、いないといけませんね。

Tuesday, August 07, 2007

フロリダ・キーウエスト発/キーライム・パイ



フロリダ州の名産、キーライムを使ったパイです(そのままですが・・・)。キーライムは普通のライムより小さめですが、香りが凝縮しているのだとか。食感はクリーミーですが味はさわやか。一度食べるとクセになりそうな味です。

ミニレシピが驚くほど簡単です。材料は実はコレだけ↓



材料:
キーライム:8つを絞りました。
コンデンスミルク380g(米国用小=日本の大かな・・・):1缶
卵黄4つ分
パイ皿(市販のものを使いました)
ホイップクリーム(飾り用)お好みで。

作り方:
1)コンデンスミルクとキーライムを絞ったジュースをかき混ぜます。
2)1)に卵黄を加えて混ぜます。
3)パイ皿に流してオーブンで焼きます。弱火で15分ほど。
*焼くのは焦げ目をつけるためではなく中身を固めるため。ゆるゆる感が取れていればオッケイです。

ねー、簡単です。応用は、恐らく違う柑橘類でも可だろうなーという所です。

今年はメジャーのキャンプ以来フロリダ州に滞在する機会が多く、あちこちで食べました。ホームメード風のものは柔らかく、レストランのものは高さがありやや固めでした。フロリダに本拠地をおくMLBタンパベイ・デビルレイズの記者食堂にもありました。一番美味しかったキーライムパイは、実はフーターズのものだったかも。

昨年11月に越して来たルーミーのアマンダはフロリダのオーランド出身ですが、さすがご当地デザートの知識が豊富です。聞くと、かつてキー半島エリアは暑すぎて乳製品を保存できず、缶のコンデンスミルクが主流だったとか。ミルクとライムの酸が反応して調理されるので、本来はオーブンで焼く必要はなかったらしいです。ただ、米国では生卵を食べる習慣がなく賞味期限が驚くほど長いので、衛生上火を通した方が安全だと言われています。

ってことは、日本の卵だったら焼く必要はないかもしれません。そして、酸とミルクの反応が必要なだけなら、その他の柑橘類でもいけるということですよねー。だから、応用としてはレモンやグレープフルーツでもできるかなーというところです。

キーライムを見て思い出したのが、かぼす。もしかして、かぼすやゆずだとやや和風なパイが作れるのでしょうか。ゆずだと甘すぎるかなー。妥当なのはレモンだと思いますが。今度は日本で試してみたいところです。