Monday, June 30, 2008

最近思い出したいい言葉

割と尊敬しているシカゴ・ホワイトソックスのオジー・ギーエン監督が良く言っていた言葉です。

「仕事は家庭を豊かにするものであって、家庭を犠牲にするものではない」


ふと、思い出しました。

最初にこの言葉を聞いたのは05年の9月終盤です。このチームがペナント争いに必死だった頃、先発三塁手のジョー・クリーディ選手が”おやすみ”を取ったんです。理由は子供の出産に立ち会うため。

ぇええ?

と正直、私はちょっと驚きました。

今チームは必死なのに・・・と思いました。子供は恐らく無事に出産するだろうし、だとしたら数ヶ月後でも顔は見れるんじゃぁ・・・と考えました。選手本人も監督に「試合に出ます」と申し出ていたことから、私が感じたのと似た気分だったと想像します。

そんな選手を説得し、病院に行かせたこのオッサ・・・いえ、ギーエン監督がまず会見でこう述べました。

「ワールドチャンピオンになったところで、ファンの記憶に残るのはたかだか数年、10年が精一杯だ。でも家族は一生側で応援してくれる。大事にしなければ」

そして会見後、記者と雑談をしながら「仕事というのは家庭を豊かにするものであって、家庭を犠牲にするものではない」と熱く語っていたんです。

ちなみにこの年、このチームはペナント争いを制し、その勢いでワールドシリーズまで制覇しました。この言葉が関係したかどうかは私には判断できませんが、そんな状況でも家族を優先させた態度とこの言葉は、多分忘れられないと思います。加えて私が米国を引き上げる際も「オイ、将来結婚をすることになったら、結婚する前にボーイフレンドに言っておくんだな・・・」と同じ言葉を言われたので、余計記憶に残る言葉になりました。

「大リーグの選手」という仕事以上に、日々結果を問われ、日々怠ける事を許されず、日々プレッシャーと戦う状況に身を置く職業は少ないかもしれませんが、どんな仕事でもそれなりに大変ですし、余裕が無くなる事だって頻繁にあります。「家庭」という部分を「自分の時間」と置き換えたっていいはずです。仕事に追われて切羽詰まった時に、せめてこの言葉を忘れないようにしたい、そう思いました。

Thursday, June 26, 2008

小幸

昨年まで年に1度の帰国の度に楽しみにしていた場所が

築地場内のどんぶり屋さん。

これまでは帰国1週間以内に行列に並び、「うに・トロ・イクラ丼」を注文し「っかー、ニッポンばんざーい」とほおばっていたのですが、完全に引き上げて日本に帰って来た今年、そういえば、まだ築地まで行ってなかった。

ということで先日、上京していた母とともに築地へ。相変わらずの行列に並び、やっぱり「うに・トロ・いくら丼」を堪能して参りました(母はウニ入り海鮮丼)。おいしかったー。

と、本日はウニやトロが美味しかった話ではないのです。

会計の際、お店の方が一言「・・・お久しぶりではないですか?」と声をかけて下さりました。年に1度、これで恐らく4、5度目ばかりの訪問です。まさか覚えて頂いているわけもなく、勘違いされている可能性の方が高いのですが、でもちょっと話が弾みました。「ハイ、実は昨年まで毎年通っておりました」など。心も温まりました。

東京にはそんな感じで4年という長い時間をかけて、わずか4、5回しか訪れていない場所が多いです。同じ美容院、同じカイロプラクティック、そして同じどんぶり屋さん。

今年完全帰国してからは、今住んでいる街にも、花屋さん肉屋さん八百屋さんクリーニング屋さんと覗くと声をかけてくれる場所が増えました。新しい土地に「馴染み」という場所が少しずつ増えて嬉しいのですが、実はここまでに知らず知らずに積み重ねて来れたのだな、と思うと、ちょっと得した気分。いえい。

お腹いっぱいになり、母と手を繋ぎ銀座までお散歩。七夕かざりが風になびいていました。もうそんな時期かぁ。

Sunday, June 22, 2008

映画「サルサとチャンプルー」

ちょっと前の話になりますが。ドキュメンタリー映画を見てきました。

楽しく美味しそうな名前でしたが、この映画はキューバに移民した日本人を追ったドキュメンタリー。描かれている日本人の方々の人生は恐らく、「楽しい」とは程遠いものだったろうと想像しました。

この映画では特に沖縄から移った日系キューバ人の家族を中心にストーリーが展開されているため、2つの土地を表現するためにこのタイトルが付けられました。実際サルサはアフリカの文化を受継いだラテン音楽ですし、チャンプルーは「混ぜる」という意味。映画の中に登場するキューバ移民の方達が日本人というアイデンティティをいったん忘れて、土地の文化に溶け込んで行った、溶け込むしかなったのだろうその人生をズバリ表現するタイトルとなっていました。

映画の後で波多野監督のトークショーがあったのですが、話を聞いて初めて「キューバ移民」と呼ばれる人たちの存在が移民を研究する中でも非常に貴重な存在だと知りました。例えば今年”交流100周年”と各地で関連イベントが催されているブラジル移民という方々がいますが、日本から海外へ移った移民の中でその人口が最も多い事でも知られています。彼らと比べて、キューバに渡った日本人は最初は別の土地を目指したが、そこでは生活ができず”流れ流れて”キューバに辿り着いた人の方が多いとか。そのため、現代になり研究をしようとしても、日本を出国する際の資料がきちんと残っておらずその後の行方を辿るのが困難で「忘れられた移民」とも呼ばれているそうです。

第二次世界大戦直前に故郷に錦を飾るつもりで海を渡り、その後、二度と本国に戻れなくなるなんて恐らく想像しなかったでしょう。映画の撮影中、キューバ移民1世のお1人は95歳。苦労ばかりだっただろうその人生を振り返った言葉が刺さりました。

「いやぁー、楽しい暮らしでした」

トークショーでは波多野監督が「それが生きるという事」とコメントされました。しかし、そんな人間って強くなれるの?というのが正直な感想でして。この映画に紹介された人たちよりも随分恵まれた海外暮らしを送ったはずですが、そんな自分でも海外に根付く難しさは感じました。大リーグの通信員として報道ビザを頂くまでの間は、ビザ確保に苦労したこともありましたし。程度は随分違いますが、日本で待つ家族の映像が自分自身の家族とも重なったりしましたし。そんな自分が将来こんな風に昨年までの米国暮らしを振り返る事ができるのかなーなどと考えさせられたりもして。

海を渡る難しさを改めて考えさせられた映画でした。

渋谷での公開は終了ですが、各地で上映されるとのこと。興味のある方は楽しく美味しそうな名前の映画をチェックされてみては。

Friday, June 06, 2008

お腹いっぱいポルトガル。

ちょいと前の出来事になりますが・・・

西麻布にあるポルトガル料理店「ヴィラ・マダレナ」へ行って参りました。
2人でランチコースを注文。

沢山食べた後登場したメインがこの鍋なんです↓





銅製のカタプラーナ(=鍋)に入った「シーフードのカタプラーナ(海の幸鍋)」




調味料は「塩をぱらっと」のみ。全て材料からスープをとったという自然の旨味を堪能して参りました。このお鍋の形も可愛いですし、山盛り入ったシーフードを前に、店員さんに「えーと、私達はもしかして2人前を2つ注文したのでは・・・?」と伺ったぐらい。盛りだくさん、お腹いっぱいのランチでした。

その後は西麻布→広尾→恵比寿と腹ごなし散歩。気の置けない友との会話は弾みますなぁ。食べる間、歩く間に、お喋りは尽きず。

こういう時間は大切です。こんちゃん、ありがとー。





ヴィラ・マダレナ
http://madalena.web.infoseek.co.jp/

Monday, June 02, 2008

口笛♪

先日、エフエム富士の「カウントダウン・コネクションズ」でゲストに口笛奏者の分山貴美子さんにお会いしました。

以来、口笛を吹きっぱなしです。

昨年の第34回「国際口笛大会」で優勝しており、既に「世界一の口笛奏者」の称号も手にした分山さん。4月23日に「くちぶえ天国」というアルバムをリリースなさっていますが、このCDが素敵すぎます。口笛が似合いそうな名曲をずらりと並べただけではなく、「いやぁー、イントロ部分の鳥も素敵だなぁ」と思っていた”さえずり部分”まで全て口笛だったなんて。聴いててウキウキするんです。

胸元からインコのペンダントをさげた分山さんはスタジオでの第一声も「ヒュゥ〜♪」と口笛。

「時々鳥に近い音階で口笛を吹いてみると、たまに返事が来たりしますよ」

などと可愛らしいことも言って下さる!「鳥がさえずるように口笛を吹きたい」というのが分山さんのこだわりなのだそうです。ほんわかしました。

そんな土曜日の生放送から2日経って今。CDを聴きながら口笛を吹いており、その不思議さにも驚いているところゴザイマス。

吹いてると、楽しい!

確かに楽しい時に口笛を吹きますが、「吹けば楽しい」という逆矢印もありなのだな、と納得。かつては夜口笛を吹くとお化けがでるなんて言われましたが、んじゃぁ、夜このCDを聴いちゃだめなのか?との問いに「ノー。ダメです!」と言える人を思いつきません。

おばけぇ?

んなもん、でないよ。でない、でない。

と、今も分山さんのCDを聴きながら、自分もピューとやっております。