Thursday, September 06, 2007

ゴンゾーの誕生日、その2:不惑

9月3日に40歳の誕生日を迎えたドジャースの”ゴンゾー”ことルイス・ゴンザレス外野手は、月刊「スラッガー」誌の「MLBトークショー」の今月号を飾って下さいました。ハッピー・ビレイテッド・バースデーと雑誌をプレゼント。

「40という響きがオッサンだ」というので「そんなことないです」とフォロー、じゃなくて”返事”をしてつい、余計な事を言っちゃいました。「日本語には40歳を表すいい言葉があります。フワクです。孔子が言いました」。

そりゃぁもう、興味を持たれてしまいますよねぇ。「へぇ、フワークゥ。どういう意味?」

あぁゴメンナサイ。私が悪かったです。

「惑う」って英語でなんて言うんでしょうねぇ・・・

*ちなみに、
孔子はコンフューシャス、
論語はコンフューションで、
おなじみの「師、曰く・・・」は「Confucius says...」です。
米国で論語はわりかし人気です。

うぅ・・・。

咄嗟に出たのはこうでした:

「うーんとえーと、コンフューシャス・セッズ、・・・あのーそのー・・・ユー・アー・ノー・ロンガー・コンフューズド・アット・ザ・エイジ・オブ・フォーティー・・・かな、メイビー・・・(Confucius says you are no longer confused at the age of 40.=40歳になったらあなたはもう混乱しません)」

雰囲気は伝わったようですが、言ってる自分が今ひとつピンと来ない。ムキー!と悔しくなり「で、出直してきまっス!」と敬礼。翌日に持ち越したのですが。

けーっこう、考えました。

惑う、かぁーーーー。

confuseは「当惑する、混乱する」という意味ですから「困った場面に出くわしてアタフタする」っぽいです。でも、孔子のいう「惑わず」は多分、悟りが開けたというか、いつナンドキもデーンと構えて物怖じしないという意味・・・のような気がする・・・。

うむぅ。

探し当てた単語はperplex。硬い単語で、自分ではそんなに使いません。でも定義には次のように出ています。

1. to cause to be puzzled or bewildered over what is not understood or certain; confuse mentally.
2. to make complicated or confused, as a matter or question.
3. to hamper with complications, confusion, or uncertainty.
(dictionary.comより)

・・・これかぁ?「メンタル的に混乱する」というのが、どうもそれっぽいかなーと、自分の中で採用。

するってーと「不惑」はun-perplexed...?でも、これだと「ただ惑わない」って感じで、なんちゅーか、こうー、悟りが開けた感が出ません。むむぅ。

考えた末、パープレックスを名詞にしちゃって「free from perplexity」でどうよ?と勝手に落ちつきました。なんとか「惑いから解けた」というニュアンスが出るんじゃないかと、これにて宿題は終了。本当の翻訳はどうなのか探していませんが、いちおう:

Confucius says, I was free from perplexity at the age of 40.

という言葉をゴンゾーに提出する予定です。
(孔子は自分について話しているようなので、主語は「I」で)。

ついでなので、全文はどうかなーと:

Confucius says
I pursued knowledge at the age of 15
Became independent at the age of 30
Was free from perplexity at the age of 40
Learned my fate at the age of 50
Accepted other words at the age of 60
Behaved as I liked, yet I was no longer immoral at the age of 70.

どなたかよりよい訳を思いついたら教えてください。

Wednesday, September 05, 2007

ニックネームあれこれ。

シカゴにいます。

ドジャースの斎藤隆投手がカブス戦に来ており、昨日からの4連戦を取材しています。昨日はチームメートである通称"ゴンゾー"ことルイス・ゴンザレス外野手の40歳の誕生日。選手一同でシュラスコ料理を食べに出掛けたそうです。

「ゴンザレス」という名字の方は大抵「ゴンゾー」というニックネームがつきますねー。日本でも同じ名字の人は同じように呼ばれますからそれに似てます。この他バーンズさんがバーンジー、ホインズさんがホインジーになって語尾が伸びたり、サリバンさんはサリーと呼ばれたりします。

でも、頭文字を使うのは日本語では稀かもです。ドジャースのフアン・ピエール(Juan Pierre)はJP、カブスのジャック・ジョーンズはJJ。元西武のダレン・ジャクソンはDJです。響きがカッチョよく、自分もJとかTとかKとかPとか、そんな音で始まる名前だったらよかったのにと思います。またインド系やオランダ系の名前はものすっごく長く、例えばインドから来たウトパリニ・シュプランカーという知人はいつも「リリーでいいわよ」と自己紹介しています。「は?という顔をされるのがイヤなの」だそうで。気持ち分かります。

日本語の名前も案外すんなり通らないんです。ABEという名字は100パーセントの確立で「エイブ」呼ばわりだし。Abraham (アブラハム)という名前がAbe (エイブ)と略されるので自然と言えば自然ですけど、空港でのキャンセル待ち中などは、呼ばれている名前が自分だと気付かないので困ります。この他4文字で同じような音が並ぶと言いにくそうで、元マリナーズの長谷川滋利さんの名前は数年前、「名前に面白い響きを持つ有名人」というサイトに元国連事務総長、ブートロス・ブートロス・ガリ氏の名前と並んで紹介されたことがありました。私のかつてのルーミーが一時期、長谷川氏の名前を唱える事にハマってしまい、「シゲトシュ・ハシェガワ、シュゲトシュ・ハシャギャワ、ウシュシュシュ、・・・ウシャシャシャ」としらふの時ですら名前を唱えては笑っており、そのたび心の中で「長谷川さん、ごめんなさい」と謝ってた・・・というのは言い過ぎで、スミマセン、私も一緒に笑ってました。今こそ長谷川さん、あの時はすみませんでした。

脱線が過ぎましたが、ウトパリニさんのように、名前の呼び方をリリー「でいいよ」と言いたい場合は「I go by ...」というフレーズを使います。

同じジョセフさんでも、ジョセフのままの人とジョーの人。それぞれに意志あって選んでいるらしく、「アイ・ゴー・バイ・ジョー」と言ってくれます。日本人でもマコトさんがマックさんになったり、タダシさんがタッドさんになったり、サトミさんがトミーさんになったり、発音の説明に手間取らない工夫がみられます。

それに、ドジャースの斎藤選手も「He goes by サミー」ですよね。ゴンゾーはシュラスコ料理パーティの感想を聞くと即答で「サミーはよく食ってた」と感心していました。(ご本人は「自分で『ストップ』を指示する方法を知らなかった」とおっしゃっていましたが)。今日の試合前には敵地ながらダグアウトのゴンゾーに、ファンから「ハッピー・ビレイテッド・バースデー!」と声が飛び、40歳のゴンゾーが顔をくしゃくしゃにして喜んでました。

「ちょっと遅れたけど」というニュアンス、「ハッピー・”belated”・バースデー」も、便利でーす。