Saturday, February 23, 2008

イリヤ・カバコフ

あったかい天気に後押しされ、またドライブ。
左車線にも慣れてきました。

行き先は砧公園。
隣接の世田谷美術館で、面白そうな展示が行なわれていたのでそれを見に。




イリヤ・カバコフ「世界図鑑」絵本・原画展
(写真が下手でスミマセン)

日本では「長靴を履いた猫」の挿絵を描いた事で知られている旧ソ・ウクライナ出身のカバコフ。彼が50から80年代までに手がけた絵本の挿絵原画が紹介されています。

鉛筆の下書きやラフスケッチなども展示されており、本人の体温が伝わってきそうな展示でした。テキスト部分が空白になっているので、内容そのものは分からないのですが、ページに沿って進むと「あぁ、この少年は主人公らしい」とか「少年が出会った車掌さんが今話しているのだな」など、ざっくりストーリーも想像できました。街並も部屋の様子からは当時の旧ソの風景もかいま見れましたし、当時の様子を知るにも参考になったと思います。

チラシを見て「世界初!」の見出し以上に気になったのが、「50から80年代のソビエト」という背景。当時の共産主義大国にとって将来を担う子供を”洗脳”するのは多分重要な課題だったでしょうし、どーんな話の絵本なんだろうなーと。確かに、ロケットや飛行機の絵が多かった(笑)。当時のソビエトが最もプロモートしたかった部分なんでしょうかね。

スライドショーで一部、内容紹介を補っていたのですが、そこもなかなか深かったです。少年が色んな仕事をする大人と次々に会話するという設定の絵本では、どの大人も「仕事を”する”のが大好き」。職種ではなく労働が好き、と強調する部分にも”東側”の匂いを感じました(笑)。

しかし、自己主張が仕事のはずの画家にとって、この規制下で絵を描く気持ちはどうだったんだろう。過去の子供に向けた絵のはずですが、現代の大人にも充分メッセージが届いていました。深い深い。


・・・と、ロシアンチックな気分に浸ったので、おやつはピロシキってことで。



展示室内の撮影が禁止だったので、お土産に買った絵はがきをご紹介。

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