米国時間2日付でホワイトハウス記者席の席順が少し変わったそうです。
この人がもう最前列にいないということです。
ケネディ大統領から今まで歴代10人の大統領を最前列で取材してきたヘレン・トーマスさん。失言により6月にコラムニストの職を辞任。以来、彼女が50年近く座ってきたこの席が空席になっていたところ、その席をFOXが獲得したことがニュースになっていました。
今日は辞職後の自然な流れが報じられただけですが、こう、今までテレビや新聞の写真が「ホワイトハウス記者会見の様子」と紹介すると、最前列の、周囲よりひときわ小さい彼女を探すのが好きだった人間としては、今日のニュースの方がちょっと、こたえます。「やっぱヘレンさんで」的な"奇跡の大逆転"の可能性がこの日、完全に消えちゃった、ということですから。実際に問題となった発言を動画で見て、冗談では済まされない重さがあった事は分かりましたが、私としては、どこかで、それを踏まえてなお、この人は許される存在かもしれないな、誰かが引き止めたりするのかもしれないな、なんて考えていましたが。そんな甘くないですよね。そっか、やたら暴言を吐いてたオジー・ギーエンとは立場もキャラクターも違うか、違うよねぇー、なんてつくづく考えたりしちゃいました。
ちょうど1年ぐらい前にも、ブログで彼女の事を書きました。写真で紹介した彼女の著書「Front Row At The White House」のリリースを記念し、当時私の通っていた大学院が彼女を招き、話を聞く機会があったんです。その後勢い余った我々の先生は、我々を連れて彼女と一緒にシカゴの記者の行きつけハンバーガーショップ「ビリー・ゴート」で”2次会”。夜遅くまでワイワイ騒いだことは忘れられません。ビールを飲む我々を前に、80歳を超えた向こうはスコッチを飲んでるんですから。スタミナとエネルギーを見せつけられ「この時間に酒飲んで平気でいなきゃ、あの年まで、現役で女性で、しかも報道記者なんてやってられないよなぁ・・・」と、つくづく恐れ入りました。
8月4日はトーマスさんの90歳の誕生日。失言がなければ今年も、同じ誕生日のオバマ大統領と一緒に、この場所でケーキを食べていたんだろうな。そして失言が無ければ、あの勢いだと軽く「100歳現役女性記者」として最前列に座っていたはず。
もったいない。
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