Thursday, August 13, 2009

wordsmith

YAHOO! SPORTSのMLB欄でジェフ・パッサンというライターが記事を書いています。シカゴベースの記者で良く現地で顔を見る仲間の1人でした。彼を見ると「ワードスミス」という言葉を思い出します。


英語圏の名字で一番多いのが「スミス」姓。このSmithには「職人」という意味があり、職業によって「なんとかスミス」という名前も存在します。例えばゴールドスミスとかティンスミス。"ロック"スミスという鍵屋さんもありました。


その流れで言うと「ワードスミス」は「言葉の職人」。ジャーナリストの事を指す(作家のこともかな)ことが多く、大学院のインストラクター達が誇りを持ってこの言葉を使っていて、私も好きでした。このジェフ・パッサンは紛れもなくワードスミス。取材熱心で野球の知識も豊富というだけでなく、文章力が凄いんです。いつも読み応えがあり「っかー、憎いなぁー。コレ日本語でなんて言えばいいんだろうー。日本でも読みたいよ〜」と思ってきたのですが、


ええと、僭越ながらそんな彼の文章を私が日本語にしています。


米国に住んでいる際には取材原稿を書かせて頂いていたMLB専門誌「月刊スラッガー」に毎月、このジェフ・パッサンが寄稿しています。現在発売中のスラッガーではパッサンは大リーグのボールパークの魅力を存分に語ってくれています。内容もそうなんですけど、その表現の仕方は独特で読んでいてとっても楽しいし、文字を追っていたはずがいつの間にか自分もスタジアムの席に座っているような気分にもなるんです。


ただ翻訳する立場で読む彼の原稿ほど、頭が痛いものはない。日本語と英語っていうのは「ほんっとに、根本的に、別モノなんだなー」と、うがーと頭をかきむしり、おりの中のシロクマ以上に部屋をウロウロし、腕を組み、考え・・・再び「うがーーー!」


そんな時間が、月に数日やってきます。


ふわっとしか分からない表現を改めて別の言語で説明しようとすると、ゼロから日本語を紡ぐよりも、がんじがらめになる分厄介かも・・・。そんなことを思いながら、自分の語彙力のなさにヘコんだりしています。


もちろん、私の上には編集部という心強い「ワードスミス」がいらっしゃるので、最終的に原稿は安心ですけど、私は私で「ワードスミス」であることに責任を持って言葉を生み出したいと「ウガー!」とわめいています。パッサンが一生懸命取材しているっていう姿勢も知っているだけに、余計そのままの空気を出せるように私も頑張りたい。球場に足を運んだ事がない人にもボールパークの香りが届くような文章にしたい!「球場」とか「スタジアム」じゃなくって、「ボールパーク」ってところの妙を伝えられたらなぁ・・・



・・・と、毎回、提出のメール送信直後に、「モモモ・・・モウダメデス・・・」ぷしゅぅ〜〜〜・・・と、力尽きます。



そして今が、次号の提出を終え「ぷしゅぅ〜〜〜」の状態です。
(ワードスミスの編集部さま、後はよろしくお願い致します・・・)



翻訳の仕事だって、そしてラジオの仕事だって、ど真ん中の「ワードスミス」です。全部が繋がっているだけに、怠けないようにしなきゃなぁ。シカゴのセンセイ達みたいに、胸を張って自分のことをこう呼べるようになりたいです。

1 comment:

カミサトナオミ said...

Jeff Passanのページ見てきましたヽ(^^)
もちろん私には何がなにやら分かりませんでしたが^^ノYAHOO SPORTS MLBのページ、本家はカッコイイですよね~
何が違うんだか、色使いも良いし、スッキリしてるけど情報盛りだくさんって感じです。
MLBこぼれ話というブログと、シカゴのキレイな写真のページも見つけました!
たくさん書いてますけど、ぷしゅぅ~ってならないでくださいよ~^^
もし機会があったらヒロちゃんが日本語に訳しているページも教えてくださいねヽ(^^)