Friday, September 29, 2006

じゃどうなちゃじゃがどうじゃ

ホテルでこんな飲み物を見つけました。



ラベル拡大です。



ダイエット・グリーンティ・ウィズ・シトラス(ナチュラル・フレーバー)です。日本人としてちゃぶ台をひっくり返してもいいんじゃないかと思いました。

飲んでみました。クッキリした甘さ。微炭酸。ダイエットとは・・・おもえないぞ。飲みながらふと、この国に「ほのかな甘さ」という表現が存在するかどうかなどと無駄な考えもよぎりました。

なお、タイトルに深い意味はありません。でも早口で3回言うのは難しそうです。(私は言えませんでした)。

Project Runway

自分が都合を合わせてまで見たい番組が1つ。
「プロジェクト・ランウェイ」というのがあります。

明日のデザイナーを夢見る数名が毎週テーマに沿って1着ずつデザインし、モデルがそれをランウェイ(=ファッションショー用の細長い花道)で披露。デザイナーやファッション雑誌の編集長らが審査して、毎週1人ずつ脱落します。最後まで残った人は雑誌ELLEで紹介され、マイブランド立ち上げを支援してもらえるとか。知人宅で毎週”試写会”が行われ、時間が合う時は顔を出します。

http://www.bravotv.com/Project_Runway/

ビデオがあるので興味がある人はどうぞ。

この手の「脱落番組」は結構多くて、その走りになったのは「アパレンティス」でしょう。ドナルド・トランプという不動産王が自分の新プロジェクトを託せる若手ビジネスマン発掘を目的に、テレビ番組で大勢のビジネスマンを募集して始まりました。毎週課題を課して採点が基準に達しない人は「You are fired!」とバッサリ。その決め台詞も流行りました。今では私が知ってるだけでもスーパーヒーローものとか、シェフとか、スパイとか、「生き残りをかけてミッションをこなす」的な番組が増えています。

この手の番組のいいところは何度か見逃してもついていける点。試写会メンバーも出入りがあります。しかし、来週はフィナーレ。最終的に残った4人が13着をデザインし、ランウェイショーを行います。「来週は見逃せないねぇー!!」と盛り上がる一同をよそに、プレーオフ日程が定まらず来週自分がどこにいるのか分からない。「あのですねぇー、次いつシカゴに帰ってくるか、分からないんだけどねぇ・・・」

No worry, we gotcha!

と、言ってくれたので、多分、ビデオ残しといてくれるんだろうなー・・・。

Monday, September 25, 2006

Say it ain't so, Jimbo

「嘘だと言ってよ、ジョー」

1919年のワールドシリーズで、ホワイトソックスの選手8名が賭博野球をしたとして球界追放されました。それを「ブラックソックス事件」といいます。当時のスター選手だった、"シューレス"ジョー・ジャクソンという選手に、ファンだった子供がこう叫んだと言われています。それを英語で言うと、Say it ain't so, Joe!

ところで本日は本拠地最終戦。両チーム併せて9本塁打、沢山花火が見れたってことで、よし。Wソックス勝ったし。そして、この機会を逃さず行ってきました。ジンボ。

奥に結構広いスペースがあるバーは、ホワイトソックスのユニフォームを着たファンでごった返してました。カウンター越しに注文をしないと飲みものが手に入らないのに、どこまでいっても人ごみを抜けられないほどです。

遠征中もファンはこのバーで試合を見ていると言いますが、ホームゲームの方がもちろんにぎわっている。この日は今シーズン最後、そして、もしかしたら22年のジンボ・ヒストリーの最後かもしれない日だっただけに、カウンターの中のおじさん達はビールの栓を抜きながら馴染み客に声をかけられて握手やハグをするので忙しそうでした。お客さん達の笑い声は絶えませんでしたが、おじさん達の表情は終始硬いまま。辛く見えました。

いつ話を聞こうかタイミングを見計らっていると、ホワイトソックスのテーマソング「Let's go Go-Go White Sox」が流れました。昨年から球場で流し始めて、いつのまにかチームが勢いを見せた時のお約束になった50年代後半の応援歌。大合唱が始まりました。その後、昨年チームが世界一を決めた頃のテーマ曲になっていたジャーニーの「Don't stop believin'」が。歌声はますます大きくなりました。

守護神ジェンクスと捕手のピアジンスキがマウンドでビッグハグした瞬間を、外野からローワンドとポセドニクが抱き合いながら戻ってくる場面を、ダグアウトから選手が両手を上げながら駆け寄る姿を、みんな思い出してるんだろうなぁ、きっとここでも大歓声が起きたんだろうなぁ、みんなでこうやって歌ってたんだろうなぁ、今と同じぐらいお客さんでごった返してて、今みたいに忙しくカウンターでビールの栓を抜いてたんだろうなぁ。

当たり前だったみんなの場所がここからなくなっちゃうんだなぁ・・・

・・・。

仕事として来ていたので話を聞くまでは酒を飲むまいと思っていましたが、胸が詰まり、「Hey, give me Old Style」とビールを注文。隣にいたおっちゃん2人組に「オールドスタイルなんか飲むのか」と驚かれましたが、「いえーい」と乾杯で返事しときました。

Say it ain't so, Jimbo.

Sunday, September 17, 2006

Melancholic?

レギュラーシーズン終了まで、季節が変わるまで、帰国まで。カウントダウンが始まりました。

今週はホワイトソックスが西海岸遠征につきお休み。代わりにリグレーフィールドでドジャース戦とレッズ戦を取材していました。レッズは明日もシカゴで試合をしますが、ホ軍が戻ってくる前に1日ぐらいはオフろうかと。月曜からはシーズン終了までホ軍付き。よって、本日で今シーズンのカブス戦の取材は終了となり、帰り際にリグレーでのみ顔をあわす人たちに挨拶をして別れました。

See you next year.

言い慣れたとはいえ、毎年なんとなく寂しい感じがする言葉です。リグレー球場を後にしながら、メランコリックという言葉はきっとこういう時に使うとちょうどいいと思うなぁー、などと考えながら帰宅したら、既にルームメートがワイン片手に

「季節の変わり目はメランコリックなのぉー!Hiroもそうなのー?一緒に飲みましょうよぉー!」

と1人物悲しく、イヤ、印象的には”ドラマチックに”飲んでました。

ええっとー、ちょーっとやる事が残ってるのでー・・・と、後ずさり気味に部屋に引き上げたら、遠くから「秋って憂鬱よねー」という感じの声が聞こえ、その後フランス語でポエムの暗唱が始まってました。感情が高ぶると暗唱したくなるポエムがあるらしいです。どないやねん。

これが本来の「メランコリック」だとしたら、私がさっきまで考えてた感情は、それとは違う言葉になるに違いないと確信。先ほどから部屋でしばし、なんて表現すべきか、頭をひねっています。うぅー・・・出てきたのは:

bittersweet, sentimental,

・・・ボキャ力ないなぁー。

Monday, September 11, 2006

ジャケ買い works!

スーパーのパンコーナーに派手なパンを発見。「なんだ、この”ジャケット”は?」と立ち止まる事しばし。その名は:

「S. Rosen's Hawaiian Bread」

つまり「ハワイパン」って感じかな、しかしハワイパンてて・・・と、気になったので購入。帰宅してルームメートに「こんなパン買った」と見せると、

「オー!サミュエル・ローゼン!」

驚いたのはハワイじゃなかった。なんでもシカゴ老舗のベーカリーで、数ある種類の中でもこのハワイパンが人気だとか。知らなかった。ローゼンの”ジャケ”には「本物のパイナップル使用」みたいなことが書かれてあり、袋を空けたらホントにトロピカルな匂いが。しかもパン生地は黄色。パインかどうかは認識できませんでしたが、甘いケーキみたいな味がしました。

ジャケットだけ見て音楽を聞かずにCDを買う事を「ジャケ買い」って言うよ・・・と、使用機会はないと思われる日本語を教えると2人は「ジャケガイ、ジャケガイ・・・」と復唱。もりもり食べた後に3人で「ジャケガイ、works!(=功を奏する、うまくいく)」という結論に落ち着きました。

そのローゼンが経営しているバーが自宅から左程遠くない場所にあるということも発見。近々そのバーのレポートでも伝えられれば。

Friday, September 01, 2006

Da Machine is here

ホワイトソックス本拠地、US・セルラー球場の周りには、

何もありません。

一方カブスエリアはにぎやかです。スポーツバーだ、コメディ・シアターだ、と目抜き通りクラークStはダウンタウンに続くまでずずーっと明るい繁華街が続きます。その周囲の比較だけでも「カブス=ホワイトカラー、Wソックス=ブルーカラー」は歴然。

そんなさびれたセルラー球場の周りから、更に伝統が1つ姿を消そうとしています。

32ストリートにあるバー「JImbo's」が、立ち退き危機に直面しています。周辺に唯一のバーはこれまで22年間、観戦前の”かけつけ1杯”、遠征中の”仮スタンド”としてWソックスファンの憩いの場でした。しかし、お店が入っているビルのオーナーが「来年以降のリースを更新しない」とバーのオーナーに突然の通告。年度末にあたる9月30日までに店じまいしなくてはいけません。

シーズンが終わるのは10月1日なのに・・・

昨シーズンのホワイトソックスは、地区優勝とプレーオフ全シリーズを敵地でクリンチ(勝利を決めること)しました。他の都市まで応援に駆けつけられないファンはジンボでテレビを見ながら一緒にビールかけを行ったと言います。今年もWソックス人気は衰えず、チケットの売り上げは球団史上最高。伝統あるジンボを訪れるファンも増えました。

そこで、ビルオーナーは、ジンボの代わりに自分たちが店を出そうとしている、と。

このビルオーナーはデグラチア夫妻といって、非常に名が通った夫婦です。

どこで?

マシーンで、です。

主に政治的な”結びつき”をマシーンと呼びます。You scratch my back, I scratch your back(持ちつ持たれつ)の精神でこのマシーンはシカゴを動かしてきましたが、その中心は、Wソックス本拠地、USセルラー球場界隈のブリッジポートというエリアです。

ブリッジポートはリチャード・デイリー・シカゴ市長の出身として有名。親子2代市長とも、この地区の多大なるサポートを受けて今に至っています。そして、ジンボのビルオーナー、デグラチア夫妻はブリッジポート出身の熱心な、そして有名な、デイリー派。市役所の仕事に就いたり、選挙活動に熱心だったり、”裏のドン”ともつながりがあったりと、親戚ぐるみでシカゴの政治に根を張っています。

更にこの夫妻はシカゴで既に「Connie's Pizza」というピザのチェーン店で成功しており、皮肉にも試合の合間にスクリーンに映し出される「ピザレース(イニングの合間の息抜きの1つ)」のスポンサーでもあります。デイリー市長はWソックスの大ファン。ジンボが太刀打ちするには非常に大きな相手です。

もしかしたら、大きなグラスルーツ(草の根)活動で大逆転が起きるかもしれないし、デグラチア・ファミリーが気を変えるかもしれません。が、現段階では立ち退きまであと1か月。

非常に胸が痛む話です。